日本のホームスクールの歴史
家庭基盤
スペシャルニーズ
フリースクール
不登校支援
1990
ホームスクール
アンスクーリング
ホームスクーリング
日本ホームスクール支援協会
ホームスクーリング・センターkokage
ホームエデュケーション
フリースクール
2000
2010
吉井春人の
ホームページ
AHSIC
「ホームスクール」のいろいろ
ホームスクールは明確な定義や制度もないため、web上で得られる解釈も情報もさまざまです。解釈の違いや目的の違いから「ホームスクール」をどのように説明したり、なにを案内しているのかがそれぞれのサイトや記事によって大きく異なります。
「どんな解釈をしているのか」「どこから出発しているのか」「どこを目指しているのか」それぞれを読み解き、各家庭のホームスクールのスタイルに合わせてカスタマイズすることで、ひとりひとりのこどもが必要とする環境を整える知恵と工夫につながります。
《ホームスクール/アンスクーリング》
日本で初めて(1987年~)米国発祥の「ホームスクーリング」の概念を持って実践した人は吉井春人氏ではないかと思っています。氏のホームスクールに関する記述が非常に詳しく、ホームスクールの概念や実践を理解するにあたってとても役に立ちます。吉井氏はホームページのなかで「ホームスクール」と言い換えることも可能だと記述されており、ホームスクールが極めて自由なものであることを教えてくれます。吉井家のホームスクール実践はアンスクーリングに極めて近いものだとしており、数多くの記述はアンスクーリングの理解を丁寧に深めてくれます。
ホームスクーリング・センターkokageの情報提供活動は、2014年11月のFBページ設置がスタートです。家庭目線でさまざまな背景とさまざまな視点からの情報を収集整理することで、それぞれの家庭が自分たちのホームスクールをオリジナル豊かに創造していく手助けになれることを願っています。わが家の実践は2007年から始まり、アンスクーリングとしています。
《ホームベイスドエデュケーション/ホームエデュケーション》
「自然育児友の会 オルタナティブな学び」特集号が2007年夏に発行されました。同会は概念の枠を超えたオルタナティブな視点からこどもの健康や生活、こどものへのまなざし、まなびの場の情報が共有されました。「こどものまなびの環境はオーダーメイドできる」。そんな新たな観点が生まれ、お母さんお父さんの立場から暮らしそのものを見つめ直す機会が広がりました。今なお、教育分野に限らず、全体的(ホリスティック)な観点でこどもを取り巻くすべての環境について真摯に向き合う家族ひとつひとつの姿があります。
《ホームエデュケーション》
学校拒否症と言われた時代がありました。学校へ行けない子を持つ親の会が各地で発足。学校外の子どもの居場所、学び・交流の場として、フリースクールシューレが1985年にスタート。遠方からの声と家の外に出ることが難しいと思われる社会的個人的状況を反映し、家庭を拠点にした教育「ホームエデュケーション」を提案。その支援活動の必要性を感じ、ホームシューレ活動が1993年にスタートしました。全国各地のフリースクールが近隣に無かったり、通学よりも在宅学習を選んだ親子が入会し、インターネットを利用したサイバーシューレが、サイトから拡がる親子それぞれの交流をつなげています。シューレは2000年にNPO法人に移行し、学校教育を学校の外から改革しようと根強い活動を続けています。
参考サイト:東京シューレ総合ホームページ>沿革
《ホームスクーリング》
ホームスクーリングの支援とその啓蒙活動としてNPO法人ホームスクール支援協会(HoSa)が2000年に設立。米国のホームスクーリング実践記を広く知らせてくれました。多くの会員のレポートが共有され、独自のオンライン在宅学習スケジュールツールを提供するなど、各家庭のホームスクールスタイルの確立に大きな励ましとなりました。2010年に新理事長が就任。その後大きな活動はありませんでしたが、2017年に新理事を迎え、2018年にホームページを一新。会員向けに、教材やカリキュラムを活用したホームスクーリング・スタイルの家庭をつなぎ、支援を進めていく様子です。
(※NPO法人とは 参考リンク)※認定NPO法人とは 参考リンク)
特定非営利活動法人Feelosopher's Path Japan(2014年設立)は「ギフテッド」をキーワードに、ホームスクールファミリー向けにカリキュラム作成の提案や学習を進めていくうえで大切なことをサイト情報からも多くうかがい知ることができます。
サイト:
・NPO法人 Feelosopher’s Path Japan>ホームスクール
ギフテッド参考記事:
ギフテッド=頭のいい子ではない。ギフテッドと頭のいい子の違い
ギフテッドの「認定」方法ーカナダギフテッド協会ガイドブックより
2016年投稿記事 『元国連職員によるキャリアコーチング ー あなたの次のステップをみつけよう
コーチング、ギフテッド、ダイアローグ、自己表現、変革』より
もっと詳しく!
日本のホームスクールの歴史
日本のホームスクールはアメリカの運動から強く影響を受けています。はじめにアメリカの歴史的背景とホームスクール支援団体の源流をみてみましょう。
アメリカの歴史ふたつの新社会運動
1988年 全米ホームスクール協会(National Homeschool Association ; NHA)
:ホルトが支援した「全米オルタナティブ地域学校同盟(National Coalition of Alternative Community Schools)」に参加していたホームスクール実践家庭のグループにより設立。
・民主的な運営
・ボランティアとホームスクール実践者の代表者が運営
・特別な指導者や専門職員を置かない
・個々の教育委員会や州政府との良好な関係を築く
・現実的な解決策を模索する
・個々人の自由な教育実践を最大限尊重する
・法廷闘争によって、かえって自由なホームスクールの実践が規制されることを危惧(※)
※GWSの第1号に「社会変革へ」という記事がある.ここには「重大で 決定的な社会変革は,常にゆっくりと訪れ,単に政治的な信条や政党によってではなく,人々が生活を変えたときに訪れる」と述べられている.
ホルトは、ホームスクール運動を地道な市民運動として展開したいと考えていた.(参考論文より抜粋)
2000年 NHA解散
1999年 全米ホームスクールネットワーク(National Home Education Network)設立
ホームスクール運動の父、ジョン・ホルト(Holt, J. C.)
60年代にフリースクール運動に関わる。
70年代後半にホームスクールを提唱。
1977年 全米初のホームスクール支援団体「ホルト協会(Holt Association)」の設立
「学校なしで育つ(Growing Without School)」発行
【GWS(Growing without school)ジョンホルト創設】
1977年~2001年の間、ジョンホルトによって設立されたホームスクーリング、アンスクーリング、および学校外での学習について発行された最初の雑誌。リンク先はスキャンされた資料をオンラインで手にすることができる。
オルタナティブ教育
宗教保守層・政治運動
1980年代後半 アメリカ社会の伝統的な道徳観や規律が公立学校では中立性を確保するがゆえに曖昧となり、充分に教えられていない」不満から宗教的な理由でホームスクールを実践する家庭の急増
キリスト教系ホームスクーラーの父、モーア(Moore,R.)を指導者とする
:心理学者。Better late than early:こどもの発達を考えた時に、親の愛情や応答的な環境が重要であり、学校教育は遅らせた方が良いという考え
1990年代初頭 ホームスクーリング運動の主流は、HSLDA(ホームスクーリング法律擁護協会)に移る
60年代~70年代 信教の自由を護るために公共の場から宗教を厳しく制限
(1962年 アメリカ最高裁判所が判決。公立学校での祈祷を禁じる)
1980年代 宗教保守層の反発を受け、キリスト教的価値観を守ろうと新しい社会運動がおこる
それぞれの社会運動を源流とするふたつの支援団体の基本理念
ホームスクール支援団体/基本理念
全米ホームスクール法的弁護協会(Home School Legal Defence Association ; HSLDA)
・明確な聖書信仰を背景とする
・専門職員を置く組織運営
共同団体組織
①HSLDA;法的な問題に組織的に対処する
②ホームスクール雑誌;「家庭教育(The Teaching Home)
③全米家庭教育研究所(National Home Education Research Institute)
④全米ホームスクールセンター(National Center for Home Education:NCHE)
⑤パトリック・ヘンリー・カレッジ(Patrick Henry College);
ホームスクーラーのための大学。2000年設立
・ホームスクール運動の組織化
・ロビー活動
【Education Oterwise エデュケーションアザワイズ】イギリス
「1977年、数家族のホームスクーラーの集いから始まる。主な活動は、ホームスクーラー(ホームエディユケーター)や、オルタナティブスクールをサポートすること。
着目すべきことは、これが完全な非政府組織であり、活動の維持費等は、特定な財団などにも依存しない会員によるボランティア活動と、その他会員内外の自発的な寄付金によるということでしょう。
外から思想的な介入を受けないことを旨としているからです。」-英国のホームエデュケーション・アザワイズ(AHSICページより引用)
「広義のホームスクーリングは、学校が今のような独占権を主張する前から存在していた。狭義のホームスクーリングは、米国が発祥の地といえる」(吉井春人のHPより)
米国と英国の影響を受けた日本のホームスクールの源流
オルタナティブ教育
1990年代
ホームスクーリングネットワーク
HSNひめじ(久貝登美子氏代表)
HSNみちくさ(松浦喜美世氏代表)
アザワイズジャパン(相沢恭子氏代表)
(※Education Otherwise、下部に記載)
HSNひなたぼっこ(島本美津子氏代表)
(※kokageホームページ つなぎあい>ホームスクール関連のウェブサイト一覧にリンクがあります。)
不登校運動
2000年代
日本ホームスクール支援協会
ホームシューレ(ホームエデュケーション)
不登校の子どものためのフリースクールを含む、いわゆる塾産業界隈でも、進学学習という枠組みにとらわれない「ホームスクーリング支援」という形態で、インターネットを利用して、おもに子どもの在宅学習を支援する動き
ホームスクール家庭を明確に分類することはできません。
オルタナティブ教育思想、キリスト教系、不登校運動のそれぞれに重なりがあります。
クリスチャン系
オルタナティブ教育
2005年4月 「アージック(Association of HomeSchoolers In Christ AHSIC)」 設立 吉井春人代表
全国ホームスクーリング支援センター
「アージックは、宗教改革の伝統を受け継ぐプロテスタント信仰を基礎とし、日本においてホーム・スクーリングサポートをおこなう任意団体です。それゆえに、異端とされているモルモン教、エホバの証人(ものみの塔)、統一協会、および、聖書配布協力会(一般に、黒字の看板に、黄色や白で書かれた「キリスト看板」で知られる)グループ、および、その別活動団体である「チアにっぽん」とは別の団体です。」ーホームスクーラーの、ホームスクーラーによる、ホームスクーラーのための集いAHSIC
2021年サイト公開終了
2000年5月 「チア・にっぽん」設立 稲葉 寛夫代表
クリスチャン・ホームスクーリング祈祷会
・「ホームスクーリング」に視野を絞る
・定期的なホームスクーラー相互の学びと報告と祈りの集い
「聖書配布協力会(俗にキリスト看板で知られるグループ。株式会社グレープシティーの外郭関連団体(※)」のもと、“チャーチ&ホームスクーリング支援”を標榜して「チア・にっぽん」が設立。
チア独自のスタンス「チャーチ&ホームスクーリング」
※正式名称は『ホームスクーリング・ビジョン株式会社』。
“聖書が教えにある通り、親が教育の責任者と自覚し、子育てに積極的に取り組む「ホームスクーリング」の全国的啓発・支援活動をしています。セミナー、教育書籍出版、国会・文科省との連携ほか、教育環境の整備、サポートを行っています。通称、「チア・にっぽん」です。」”
保守層
参考資料)
AHSIC (Association of HomeSchoolers In Christ )アージック『ホームスクーリングとわたし(2009.2.16改訂)』
『アメリカのホームスクール運動のインパクト Impact of the Homeschooling Movement in the United States 』長嶺宏作(帝京科学大学)