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家庭哲学を探る

自由なホームスクーリングを実践する家庭に共通しているのは

互いの信頼と敬意を育む

親子関係

ひとりひとりの成長と発達に応じたオーダーメイドのまなびある環境を整える(ファシリテーションする)ことに、ホームスクールの親たちは、よろこびと活力を見出しています。

アメリカのホームスクーリング制度は、学校教育を自宅学習用に編纂したカリキュラムのコンテンツを主にインターネットを介して、ホームスクーリング家庭に提供するものです。アンブレラスクーリングでは、その短期授業のクラスに参加することで義務教育履修の単位に互換認定されるといった公教育の制度です。教科学習以外の体育実習や観察等の体験学習に多いかもしれません。

 2018年現在、日本では公教育制度としてのホームスクーリングの認識が広まっています。しかし、ホームスクーリングの草分け的存在といわれるドブソン家も、また最近では上記著者のハーディング家も、この代替教育制度の枠とははずれたホームスクーリングを実践していることがわかります。むしろ、このホームスクール制度にくみこまれたホームスクーリングを展開している家庭のやり方について残念に感じていることを語っているほどです。

 初めにアメリカのホームスクーリングを取り入れてはじめた日本のホームスクール実践家庭では、のちにアンスクーリングの形態へとおのずと移行している様子もみられます。

 

 それぞれの家庭の暮らし方、生き方にマッチしたオーダーメイドのホームスクールを作り続けていくことはとても大切です。 

『学校に通わず12歳までに6人が大学に入ったハーディング家の子育て』

ハーディング,キッチナー/ハーディング,モナ・リサ【著】/向井 和美【訳】

紀伊國屋書店(2015/06発売)

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314011280

『ホームスクーリングに学ぶ』
リンダ・ドブソン[著]/遠藤公美恵[訳] 緑風出版 2008年

今やアメリカでは、ホームスクーリングは優秀な生徒を多く排出している。本書は、草分け的存在である著者が、そのエッセンスを披露。手法や勉強のこつを具体的に伝授。ホームスクーリングをめざす親のみならず、すべての親に必読の書。(2008.7)ー緑風出版HPより

http://www.ryokufu.com/isbn978-4-8461-0809-0n.html

​『ホームスクーリングに学ぶ』より

第1部 ライフスタイルをみつめる
*子どもの、親に対する信頼と敬意を育む

 この本を読まれるほどお子さんの人生で成功に関心のある親として、おそらくあなたはすでに、お子さんの自分に対する敬意と信頼が家庭生活の要であることに気づいていらっしゃるでしょう。けれども、あなたの愛情の力を活用するためには、同じように欠かせないものがあります。それは、あなたも愛情と敬意を返し、たがいに持ち続けるようにすることです。
(中略)
ホームスクール関連の代表的な著書であるジョン・ホルトは面白いアプローチを提示しています。子どもを、外国からの来客のように扱うようにというのです。外国から来た客は、あなたの国(この場合は大人の世界)の作法の一切合切を熱心に学ぼうとしていますが、それを理解するためには、まず、観察し、参加する時間が必要です。わたしたちは、外国から来た客の無知に、腹を立てたり、ばかにしたり、しびれをきらすことはまちがってもしませんが、相手が子どもとなると、しばしば、否定的な反応をしてしまうものです。

「ホームスクーリングを始めたばかりのときのわたしときたら、まるで、最悪の悪夢にでてくる練兵係の軍曹みたいでした」と思い起こすのは、カリフォルニア南部で三人の子どもがホームスクーリングを始めて三年になる、キャリー・ソマーズです。「午前八時きっかりに教科書に取り組まない限り、ひどい顛末になると不安で、しゃかりきになっていました。二カ月ほど過ぎ、誰もがすっかりみじめな気分になっていたとき、朝、真ん中の子が泣いているのに気がつきました。どうしたのかと訊ねると、娘はしゃくりあげました。『ママは、わたしがどう思っているのかなんて、どうでもいいんだわ。ママにとって大事なのは、何でも、きちんとすることだけなんだもの』って」。
 キャリーは今、この、自分にとっての天啓と、それが親子関係にもたらした変化に感謝しています。「子どもたちの感情を認め、尊重するよりも、算数を終わらせるほうが大切だと思っていた自分が信じられません。子どもたちのニーズと欲求に配慮するようにしたところ、家庭全体の雰囲気がよくなったのです」。キャリーはうれしそうにこう報告します。「おまけもありましたよ。八時きっかりに教科書を取らなくても、世界が終わるわけじゃないと発見したのですから」。

『ホームスクーリングに学ぶ』より

 

第7章 こどもはどんなふうに学ぶか

「こどもを知能グループのいずれかひとつに分類したいという誘惑に屈してはならない。お子さんにあてはまる記述が、複数の方面にわたって見つかるのが当然なのだから。これらの記述のなかからお子さんにあてはまる箇所を選び、そこに、すべての知性の方面で見せる長所と短所を合わせる。それが、お子さんの個性に合った学習スタイルなのだ」ートーマス・アームストロング(学習障害の専門家:ある日を境に、ふっつりとその仕事を辞めてしまいました。個人的な経験から、学習障害などというものはこの世に存在しないと確信したからです。アームストロングの目に映ったのは障害ではなく、「学校教育ではあきらかに理解されないユニークな学習のスタイル」でした。)

 
「一対一の人間関係で活き活きとする子どもは、二人以上のグループに入ると途方に暮れてしまう場合があります。それが、人づき合いの場であっても、教育の場であっても同じことです。」-アン・ラーソン・フィッシャー(教師の経験を持ち、ホームスクーリングについての著作を持つ)

すべての人が持っている

発達特性を知る

こどもに関する脳の発達や成長過程を知ることは、

こどもを管理する方法や技術を得るためではありません。

こどもを知るため、ひいては人間を知るためです。

目の前にいるこども(ひと)が言葉や態度などを通して伝えようとしていることをキャッチするアンテナを持ち、その感度をあげるために役立ちます。

 「認知」や「個別の学習スタイル」というキーワードに触れると「発達障害」と結びつけて、その先に進まない人もいるかもしれません。

 ですが人は誰でも、「自分なりの覚え方」「自分なりの勉強方法」を身につけて生きています。自分に合った「理解する・身につける」方法を編み出してきたはずです。

 発達障害云々以前に、人はそれぞれに認知の特性を持っていて、認識と理解への道すじが個々にあります。

 そのことを知っていると、こどもという別人格の個性という観点で、その成長への手助けはなにかということがより理解できることに気づきます。

【ハワード・ガードナーMI理論】

《子育てや教育現場でも有効 「個性」に適した学習アプローチ》

http://www.nichinoken.co.jp/…/multiple_intellige…/mi/mi.html

 ハーバード大学教育学大学院教授で、心理学の世界的権威であるハワード・ガードナー教授が、授業や研修での座学といった一般的なものにとらわれない、学習法を提唱しています。これが「個性」に適した学習アプローチです。

 ハワード教授は、従来のIQテストに異議を唱え、人にはいくつもの多重な「知能MI(マルチプル・インテリジェンス)」があると主張しました。MI理論によると、人間は普段「8つの能力」を働かせて生活しているといいます。これらの中でも特に秀でている部分や得意分野があり、8つの能力を見極め、個性に適したアプローチで学習をすると、人は才能を大幅に伸ばすことができるといいます。

 例えば、子どもの場合、個性や得意分野、興味に合わせて成長をサポートすると、楽しみながら自身の可能性を広げていくことができます。数を数えるのが好きな子には、料理などを通して量や数の理解を深めたり、友達への思いやりが強い子には、友達とのごっこ遊びなどを通して、人間関係形成能力を育むことができるのです。

 人は好奇心を刺激されると生き生きと学び、心身で得た経験は深く刻まれます。こうして自ら学び得たという成功体験こそが継続性を育み、次のステップへ挑むモチベーションにもつながっていくのです。
ーハワード・ガードナー教授が提唱する8つの知能MI(マルチプル・インテリジェンス)より

8つの知能(順不同)~

​                 1)音楽・リズム知能   

                 2)対人的知能     
                 3)身体・運動感覚知能

                 4)言語・語学知能  

                 5)内省的知能

                 6)視覚・空間的知能

                 7)博物学的知能

                 8)論理・数学的知能

あなたの子どもにぴったりの「学習法」を見つける本 5つの「ラーニングスタイル」で個性を伸ばす』
著者 マリアエマ・ウィリス著・ビクトリア・キンドル・ホドソン著・伊東恵子 訳

​2001年01月17日 PHP

https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=4-569-61446-9

《気質》
《才能》
《興味》
《モダリティ(感覚の様式)》
《環境》

これら5つの側面からの考察をすすめています。

 

『天才と発達障害-映像思考のガウディと相貌失認のルイス・キャロル』
岡南(おか みなみ)著 講談社 2010年

http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000196140

第1章 あなたは視覚優位か、聴覚優位か
1 「認知」とは何か
 人によって感覚器の感度は違う
 誰にでも認知の偏りはある
2 二つのタイプの優位性ー「視覚優位」と「聴覚優位」
 神経特性を位置づける「優位性」
 視覚優位の能力と映像思考
 聴覚優位の能力
3 他にもある認知特徴による分類
 「全体優位性」と「局所優位性」
 視覚認知の中の「色優位性」と「線優位性」
4 認知の偏りから学習方法を見つける ☆☆☆
5 私の映像記憶「記憶は未来からつくられる」
6 視覚・聴覚の優位性に気づいていた人たち
 優生学の創始者ゴールトンとダーウィン
 視覚でものを考えるグランディン
 数学者岡潔、そしてガウディとキャロル

さまざまなスクール

教育機関の活用

見学/研修/交流

 フリースクール、オルタナティブスクール、学習支援活動、子育て支援活動とのつながりは、家庭の社会とのつながり(家庭教育)を見いだし、家庭教育と生活の質(QOL)の向上にもつながります。

 ホームスクール情報にとどまらず、あらゆる学習や教育そしてこどもについての情報にアクセスすることは、視野を広げ、課題解決のヒントに導いてくれます。多様な分野に目を向けることで、思いがけない答えを見つけることができます。

 

 「教育」「学習」といった枠に縛られないことです。枠組みの設定や分類は、多くの情報を整理分析するために活用する手段です。

​ 

 親の姿が子に与える影響が大きいことは確かな事実です。親(保護者)自身の物事のとらえかた、考え方、価値観、多様性を受け容れることや、家庭から考えうる自然環境への配慮や社会課題について視野を広げ実践するなど、暮らし方、人生観・死生観などの生き方・在り方について親も自身を振り返る機会になります。

論文・報告

『子ども観の変容と児童権利条約』

http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/document/2009/200884/15.pdf

はじめに

Ⅰ 子ども観の変容と子どもの権利の進展

 1 「子どもの発見」まで

 2 子どもの保護

 3 米国における子どもの権利

 4 児童権利条約の審議

Ⅱ 児童権利条約の概要

 1 条約の構成  

 2 条約の意義

Ⅲ 意見表明権と市民的自由に関する条項

 1 意見表明権

 2 市民的自由に関する条項  

 3 親及び国の役割

おわりに

 

『日本における家庭教育の現状とその課題について』

http://hesoj.com/activity/pdf/21-1.pdf

 

MI理論と「継次処理と同時処理」を活用する

学習補助・学習コーチを探そう

てぃあんだぁクラブ​(沖縄)
FBページ:https://www.facebook.com/teaunderclub/

マインドフル子育て|学習スタイルで子どもの強みを伸ばそう!」
http://mindfulkosodate.com/

​コラム>>>ホームスクール哲学、その原点(その1 その2
​情報公開日2017年11月26日
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