情報公開日 2015年1月15日
多様なホームスクールの在りかた
ホームスクールは「家庭を中心にしてまなびが広がる」ことです。各家庭の教育方針や親子のそれぞれの希望や適性によりスタイルはさまざまで、それこそ家庭の数だけあります。
分類されるためにではなく、ホームスクールの多様なありかたの理解のために。
自由と権利を学び知り実践する
アンスクーリング
アンスクーリング・アプローチ
カリキュラムや時間割がなく、こどもが自ら興味関心がわきあがり、こども自身の内面で機が熟し行動するに任せる。興味関心をひろげる環境整備に配慮し、子の成長・特性・個性を尊重することをもっとも重視する。こどもの「今この瞬間」に応じたまなびを探る。
親と子が互いにまなびあい、対等な関係をはぐくむ努力と会話は個人の尊重(人権)を徹底的にまなぶ。
ホームスクーリング
ホームスクーリング・アプローチ
こどもの成長を忍耐強く見守り、個々の特性と個性に適した教材や指導方法の学習カリキュラムを作成する。社会状況を熟知し、自立して生活する基盤を得るに必要な知識や技術、技能、資格や免許取得を子ひとりひとりに応じて、必須だと判断するものを提供する。親や子の社会観や価値観と信念がその判断基準となる。
社会の期待に応えた先取り教育やエリート教育とは異なる。
アンブレラスクーリング
複数のホームスクール家庭が集まり、同一のカリキュラムを共有したり、短期のプログラムに共同あるいは個別に参加すること。
・公教育の正規の学校から提供されたスクーリングの場合は、参加することによって義務教育課程の履修となる制度のある国もある。
・日本では自由な教育(どんぐりクラブやフレネ教育など、学習指導要領とは異なった指導方法で展開される学習)を、ホームスクール家庭等でコミュニティを作り、共同で取組むケースが登場している。
Home-based
Education
こどもの権利と、まなぶことの自由が保障され、家庭が主体となっている。
Incidental Learning
偶発的学習。
意図的、計画的でない。
価値観や習慣など周囲の大人からも影響を受ける。
Learning at home
獲得するまなびが学習等を通して明確であり、到達すべき目的と目標がある。
自宅での(通信)学習。
School at home
(スクールアットホーム)
指導者と生徒、教える側と教えられる側という二者が存在し、設定された学習到達基準があり、それに向かって学習し、基準に到達する成果と評価で容認される伝統的な「学校(スクール)」のスタイル。主体は、こどもでも親でも無く、学習プログラムの設定者にある。
De schooling
(デ・スクーリング)
自らの内発的なまなびを発する主体的な学習意欲から切り離された教育を受け、それが唯一の教育だと思い込んでいると、それをしない事に罪悪感を覚える。それがとりのぞかれるまでのプロセスをデスクーリングという。
デスクーリングを経ると、唯一良いとされる教育にとらわれる必要はなく、選択するまなびかたの違いなのだと知り、自由なまなびの在り方へと移行することができる。
デスクーリングの期間は罪悪感によって抱えてしまった心の傷を癒すために、また新たなまなびの環境を自ら選択するためにも、休養・休息といった時間を要する。
過去の事実を容認し、本来の自分らしい自分を慈しみ、自信をもって、新たな道へと歩み出すことができる。
不登校をきっかけにホームスクールへ移行した親子は、少なからずこの過程をたどる。
親の思想が強すぎる結果生じた偏り(バイヤス)を取り除く意味もある。
個々人の自律性を取り戻すプロセスでもある。
地域や周囲の理解にも不可欠なプロセス。
※居場所やフリースペースは、主にこの機能を持つ。